五十男浪にとっては衝撃的な朝刊記事であった。2020年度の「フラット35」利用者がローン完済を計画する年齢は73歳!(過去20年間で完済予定の平均年齢が5歳上昇!)
完済予定年齢上昇の主な原因として日経があげている2つのポイントが、
(1)晩婚化(持ち家を買うタイミングの遅れ)
※2000年代前半の購入平均年齢が37〜38歳だったのに対して、2020年度は40.4歳
(2)住宅価格の上昇(平均融資額が過去20年間で1,900万円から3,100万円に上昇)
それにしても、単に一部の背伸び族・カッコつけ屋さんだけの話であれば「自己責任」論で済ませることもできると思うけれど。
かくも世の中の(自分も含めた)一般庶民の多くが70歳すぎまでの重たい住宅ローンを組む(組まされる)というのは、日本の重大な金融教育欠落のせいではないか?
そこにつけ込む不動産業界、住宅メーカー、銀行に庶民がカモられ、一生涯シャブ漬け(借金漬け)にされる構造。
学校公教育で受け持つものでなければ、どこかで啓蒙、啓発が必要かと思うが、ライフプラン/ファイナンシャルプランの基礎をもっと多くの庶民が持っておく必要があることを気づかされた一件であった。
サラリーマンであれば、50歳を過ぎたら収入は頭打ち(というより右肩下がり)、60歳定年後は、仮に働き続けていたとしても給与収入が半減以下になるケースが大多数、というのは周知の事実なのだ。ソニー銀行住宅ローンの最終返済可能年齢85歳、という商品には、戦慄さえ覚える。
こういう合法的なタカりにあわないために、自分を守るべきはやはり最後は知識なのだ、と改めて気づかされた朝であった。
※追記:この記事に関して、アゴラwebに宅地建物取引士の高橋和也氏が寄稿しておられたが、日経のこの記事は「真実」にして「嘘」であることが判明。
「実際の住宅ローンの平均完済期間は15.7年である(住宅金融支援機構調べ2019年)。この平均値そのままであれば、40歳で住宅ローン返済を始めると56歳で返済を終える計算になる。」きちんと皆さん繰上返済をしていらっしゃる。
ひとまず、新聞を「斜に構えて」読むべき具体例に遭遇した感じ。自戒とします。
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